98. 尾州の整理の加工の凄さ
2022年06月20日
今回は整理加工についてお話ししたいと思います。
生地を作る上で最終の工程になるのが整理加工になります。この整理加工が、生地の良し悪しを決めると言っても過言ではない程重要な工程です。
整理加工を通さない生地はなく、尾州で織った生地は例外なく整理加工が通されます。生地の風合いをよくするのは勿論のことですが、不純物を取り除いたり、見えない油汚れを洗ったりしてくれます。なので必ず整理加工を通します。
上2つの写真が、織りあがった状態になります。まだ整理加工はしていないので、糸の一本一本で生地が作られているのがなんとなく分かるかと思います。
左の写真を見ると黒い糸が髭みたいに出ています。これはタテ糸が切れており、整理前に補修して修正をしていきます。この補修は整理前に必ず入る工程になります。
生地が仕上がる前に修正することで、キレイな生地が出来上がります。
最初に載せた2枚の写真の生地が、整理加工を通すと、上の写真のような生地になります。全く別の生地のように見えます。
糸で生地ができているのがわからなくなっています。まさしく布って感じです。
今回は起毛加工をしているので、整理前と後では通常の生地よりも、大きく変わっています。この起毛加工でも、種類が凄くあるので、素材の特性や組織、糸使いで同じ加工でも、違った風合いになります。
整理加工は本当に本当にめっちゃくちゃ深いです。ちょっと工程を減らしたり、増やしたりすることで、風合いも変わります。この整理工程を理解していないと良い原料を使っても、あまり良い生地に仕上がりません。
整理だけが大切ではありませんが、生地を作る上で重要な工程であることは間違いありません。
N tailor designのオリジナル生地は整理工程の前の生地も用意しております。普通では見ることができないので、見て触ることでより整理工程の凄さを理解して頂きより感動できるかと思います。
ぜひ一度整理工程の凄さを実感して頂きたいです!!