92. 先日お伺いした機屋さんの風景
2022年05月30日
今回は先日お伺いした機屋さんの風景をご紹介させて頂きます。オリジナル生地は尾州で織るのがほとんどですが、今回お伺いした機屋さんは三重県にあります。織る技術が素晴らしく、細番手の80/1のリネンも織って頂けます。これがどのくらい凄いかというと、尾州で織れる機屋さんはほとんどいないのではないかと思います。
本当にいつも綺麗な生地を織ってくれて、温かく迎えてくれる機屋さんです。
上の写真は整経の枠立てという工程を撮ったものになります。左の写真を見ると糸の結び目が見えると思います。これは引っ越し作業と呼ばれるもので、前の生地の経糸とこれから整経する経糸を結んでつなげることで、途切れずに整経をすることが可能です。
この引っ越しが厄介な時もあります。糸の素材が変わったり、糸の撚りが変わったりすることで、めちゃくちゃ大変なことになります。例えばウールのS撚りとコットンの Z撚りを結んで引っ越しは絶対にできません。撚り方向が違うため、ぐちゃぐちゃに絡み合ってしまい糸を引っ張ることができません。
このような時はリネンの糸を使います。リネンの糸は撚りが少ないためどのような素材の糸でも絡まずに対応することができます。織りにくいリネンもこういった時に役に立ちます。
また後日実際に整経をしている動画も上げることができればと思っています。経糸が引っ張られていく音は中々の迫力があるので、現場の雰囲気も含めてご覧いただけたらと思います!!