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70. 一宮で製作中の 22-23秋冬 オリジナル生地

2022年03月14日

今回は次の秋冬に向けたオリジナル生地製作過程についてお話しさせて頂きます。前回生地の規格が決まり、糸が決まった所までお話ししました。

前回のブログ生地になります。

今回の生地は糸染めはなく、糸になる前に染めるトップ糸を使用しています。なので糸が揃い次第織る準備に取り掛かりました。整経の写真はないのですが、織っているところを機屋さんに協力して頂き撮影させて頂きました。

今回はションヘル織機と呼ばれる低速織機を使って織っていきます。低速で織ることに糸に負担をかけずに、手織りに近い膨らみを持った生地に仕上がります。高速織機と低速織機でそこまで変わるのかと思いますが、見た目は殆ど変わりませんが、仕上がった時の生地の膨らみが変わってきます。この膨らみで何が変わるかというと、肌触りや服にした時の立体感が違っていきます。本当に微妙な変化ですが、触って比べてると何かいいと感じると思います。

ションヘルはかなり織る音がうるさいです。
織機の裏側です。
織機の表側です。

今回の生地はヨコ二重と呼ばれる組織を使っています。タテ糸がウールの黒色の糸でヨコ糸にウールのベージュの糸とコットンのオフホワイトの糸を使っています。織機の裏側の写真を見てみると、タテ糸のウールの黒糸が一色なのがわかります。表側の写真を見ると、二色のヨコ糸を打ち込むことにより、ベージュ一色の生地が織られていることがわかります。ちなみにベージュが表で、裏側がオフホワイトになっています。今回のヨコ二重の肝としては、殆どタテ糸の色が出ていないということです。理由としては糸の太さも3倍くらいタテ糸に比べてヨコ糸が太いのと、ヨコ糸の密度が多いのでタテ糸があまり表面にでません。

密度が多いということは通常の生地に比べてヨコ糸を使う本数が多くなるため織るのに非常に時間がかかります。今回はションヘルということもあり10M程おるのに約1日近くかかってしまいます。高速織機であれば、2,3時間で織れてしまいます。大量生産には向かない織機ですが、低速により糸にかける負担は間違いなく少なくなります。それだけ良い糸の状態を保ったまま生地が織れるという事になります。長く着用して頂くことを考えるとこういった些細な差が着用年数を伸ばしてくれますし、長年着るということは愛着が出てくると思います。そういった洋服作り、生地作りをしたいと考えております。

生地が織り終わったあとは、生地に傷や汚れがないかチェックしたのちに大事な大事な整理加工が待っています。

織りあがった状態では一本一本の糸が見えています。
起毛することで糸は全く見えなくなります。

2つの写真を見てもまだコート生地には思えないと思います。ここから整理加工で起毛することにより肌触り、膨らみを出していきます。全く違う表情になるので私自身も今年一で楽しみです!!

自分で規格した生地を服にする。これがやりたくて尾州(一宮)に来て、それができるようになったことに本当に感謝です。生地はたくさんの方々が関わることで生地になります。作っている背景を知っているからこそ自信を持ってオススメできます。もっと尾州や国産の生地を知ってもらい、お客様から選んでいただけるように良い服を作り続けたいと思っています。

機械を調整する風景です
表側がベージュ、裏側がオフホワイトになっています

https://www.gqjapan.jp/feature/20191122/the-oshiro-collection-report-vol3

ションヘルについての記事です。N tailor designでも使っている生地メーカーの葛利さんをピックアップしています!

N tailor designでは初対面のお客様には初回でお売りすることは控えております。生地の説明・採寸はさせて頂き、もしご購入頂ける際は後日に再度ご訪問・ご来訪して頂いております。どのような生地があるのか、どのように採寸するのかを体験して頂くことで、お客様が納得した形でご購入頂けるようにこのような形式にさせて頂いております。出張した際の料金は発生しませんので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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    https://lin.ee/M8xFJQU