62. 一宮で作る麻の生地ができるまで〜整理編〜
2022年02月14日
今回は麻の生地を作る上で最後の工程となる整理加工についてお話しさせて頂きます。以前のブログで整理前の生地と整理後の生地について書かせて頂きました。
このブログに書いてある通り、整理は生地を製作する上で凄く重要な工程です。整理によって全く違う生地に仕上がります。今回は麻にピックアップしてお話させて頂きます。ブログの記事は素材がウールでしたので、整理前と後で物凄い変化をしていますが、麻は整理によって見た目が物凄く変化するという訳ではありません。しかし麻はウールと違い間違いなく家庭で洗濯するかと思います。そこでこの整理加工が重要になってきます。
N tailor designの生地は麻で多く使われるシルケット加工をしていません。このシルケット加工はメリットがかなり多い加工ですが、光沢感や繊維を傷つけてしまうというちょっとしたデメリットもあります。寸法の安定、色の堅牢度、光沢感がアップするので、麻素材にはほとんど使われていると思います。元々麻はシワになるし、ウールや綿に比べて綺麗な糸ではないです。それを綺麗な生地に見せるというのは逆に長所を消しているのではないかと思います。
柄が違いますが、二つともに麻100%の生地になります。整理前はペタとなっていますが、整理後はフワッとした感じになっています。生地の状態でも洗っているのでウールのように綺麗な生地には仕上がりません。小さい凸凹感があります。生地でこのような状態にすることで、家庭の洗濯での縮みも小さく、シワも優しい出方になります。麻素材の服で店頭に凄く綺麗な状態で置かれていましたら、家で洗うとシワがキツく入ったり、縮みやすい可能性があります。このシワの凸凹感が肌を引っ付きにくくしますし、見た目も着古した感が出て最高です!!
3回にわたって麻生地の製作過程をお話しさせて頂きました。服をご購入する際は品質表示を見て頂き、ぜひ春夏は麻素材が使われている服を着用していただけると嬉しいです!!
https://sotoh.co.jp/process/index.html 一宮にある整理工場のホームページになります。