52. 尾州のウール・シルクのジャケット生地
2022年01月10日
今回ご紹介させて頂く生地はウール・シルクのジャケット地になります。柄はグレンチェックでよく見られる柄と思われますが、糸使いでひと工夫加えた生地になります。シルクと聞くと光沢感がありキレイな糸を思い浮かべると思いますが、今回使われているシルクは光沢感はなく、均一の糸の形状ではありません。
シルクには絹紡糸と呼ばれる糸の種類と絹紬糸と呼ばれるものがあります。絹紡糸がよくネクタイ等高級品でよく使われる光沢があるシルクで、絹紬糸は絹紡糸を生産する際に落ちた短い繊維を集めて、再度紡績した糸のこと言います。なので、ウールで言えば紡毛みたいな感じになります。光沢はありませんが、膨らみを持った生地に仕上がります。
一番の特徴はこの表情感になります。白いポツポツ出ているのがシルク紬糸の特徴です。このネップ調の表情がジャケットに仕上がった時に立体感を与えてくれます。同じ素材でも糸自体が全然違うので、そういった細かい特徴を掴むことで、より良い仕立てにつながるので、素材や生地のことで疑問点がありましたらお気軽にご質問くださいませ。