49. 糸の紹介〜紡毛とは〜
2021年12月31日
尾州はウールの産地で有名ですが、ウールには紡毛・梳毛と呼ばれる2種類の糸があります。ざっくり分けると紡毛がコートやジャケット、梳毛がスーツに使われることが多いです。紡毛が、短い原毛を使用して作ったもの、梳毛が長い原毛で作られたものになります。紡毛は短い原毛を多く使用するので、細い糸が作ることができないため、春夏に使われるのは皆無に等しいです。
今回写真の糸はトップ糸と呼ばれ、糸になる前に染められたものになります。薄いグレーと濃いグレーが混ざり合った感じがわかるかと思います。2色以上混ぜ合わせているかと思いますが、詳しくなに色を混ぜ合わせているのかは紡績の会社にしかわかりません。トップ糸によって無地でも深みのある無地に仕上げることができます。
写真の糸で作った服になります。(色は別の色を使っております)凄く表情豊かな仕上がりになっています。今回の糸は太さの均一性がなく、太くなったり細くなったりする糸を使用しているので、ネップ調の雰囲気が最高です。紡毛はこういった表情を出すことに優れています。沢山の紡毛糸の種類があるので、コートやジャケットの生地を決める時に生地をほついて糸を見るのも面白いと思います。(場合によっては怒られるかもしれません。笑)
糸から生地になって、服になる。本当に人間は凄い発明をしたなと感じます!!