29. オーダーコート〜尾州オリジナル生地〜
2021年10月21日
一気に寒くなり、少しづつ冬が近づいてきました。そこで冬では欠かせないアイテム、コートの紹介をしたいと思います。
写真のコートの生地は私が規格したものになります。タテ糸には意外と思われるかもしれませんが、2/60の細いウールが使われています。なのでこの生地の起毛感は全てヨコ糸で作られています。
ヨコ糸に上記の写真のループ糸を打ち込むことで毛足の長い起毛を作ることが可能になります。この輪っかになっている所を起毛機で掻くことによって、輪っかが切れて長い毛足になります。シャギーと呼ばれる生地はこの方法で作られています。ニットでも最近は毛足の長い編み地をよく見ますが、ループ糸を使用しています。
組織は上記の朱子織になります。起毛に関してはこの組織が非常に重要で、ヨコ糸が多く浮き出ていた方が起毛しやすくなります。これはループ糸だけではなく、通常の糸の起毛でもヨコ糸が浮き出ていた方が良い風合いになります。
今回は色にもこだわりを持っており、ワインレッドとネイビーのループ糸を交互に打ち込むことにより、起毛した際に2色の毛足が混ざり合い、独特な色合いになっております。
素材もアンゴラ(アンゴラ兎の毛)が入っており、肌触りが抜群で、ウールに比べて柔らかい風合いに仕上がります。人が急に抱きついてきたら、あまりの肌触りの良さにビックリすること間違いなしです。
一着コートがあると長く着用することができますし、大人の色気がグッと増します。寒い冬を見越して、今からオーダーコートを仕立てるのがオススメです。