28. 尾州の生地紹介〜バンチ〜
2021年10月18日
本日は新しく入りました一宮で生地の生産をしている国島株式会社の生地見本帳(バンチ)を紹介させて頂きます。あまり世の中では知られないのですが、日本の生地は海外のメゾンブランドで数多く使われております。パリコレクション等のコレクションにも毎年尾州の生地を使った服が必ず出ているかと思います。
国島はその尾州の中でも老舗メーカーになります。以前国島に私自身が勤めていたこともあり、生地の規格をある程度把握しているので安心して紹介できます。
その理由はタテ・ヨコ糸が双糸であること、そしてこの生地の一番の特徴である密度がしっかり詰まっていることです。通常のスーツ生地の規格は、糸が細さ・組織で基準の密度があります。今回紹介する国島の生地はその基準より密度を込めて、仕立てが映えるスーツを目指して規格されております。なので少し生地は重たくなりますが、耐久性、仕立ての観点からいってビジネスで着用するにはオススメの生地になります。
写真の生地はグレーの無地で、グレー生地には珍しく、トップの糸を使った霜降りが少なく色味が絶妙です。組織は2/2の綾でスーツ生地のど真ん中をいった生地になります。
写真の生地はスーツの鉄板紺無地の生地になります。一番の特徴は組織で朱子織(サテン)と呼ばれるもので、2/2の綾織よりもツヤが出てよりドレッシーの雰囲気が出ます。目も詰まっているので、仕立て映え間違いなしの生地になります。
色柄は派手なものはありませんが、良い規格で作られた生地は長く愛着が持てる洋服になること間違いなしです。