27. 生地の分解(2)
2021年10月15日
今回も生地の分解について紹介させて頂きます。前回は組織が判明しました。今回はタテ糸の密度、ヨコ糸の密度を調べていきたいと思います。
今回もルーペを使って調べていきます。ここは地道な作業で、一本一本数えていきます。ルーペの黒枠が正方形になっており、一辺1インチ(2.54cm)になっており、密度の基準は1インチで何本あるかになります。数えた結果約100本あります。
次にタテ糸の密度の調べていきます。ヨコ糸といっしょのように調べていきます。タテ糸は1インチに約115本あります。タテ糸とヨコ糸の本数が違う生地がほとんどで、織り縮み、整理縮みが横幅の方が、縦幅に比べて縮んでしまうので、差が出てしまいます。
今回は通常のスーツ地に比べて糸の本数が多い生地になります。スーパー160sの原料を使用しており、番手(糸の太さ)も2/100以上のものだと思われます。糸の本数が多く使われているから高密度の生地というわけではないので、番手と密度の兼ね合いで高密度の生地か決まってきます。
密度を知ることで、製品のトラブルを未然に防ぐことも可能になってきます。ちょっと密度が甘いなとなれば補強テープをすることで、縫い目を裂けにくくしたりすることができるので、服・生地の規格の上で非常に重要なポイントになってきます。