215. 原毛を触ってきました。
2024年01月29日
先日、原毛が展示してある一宮のファッションセンターに行って参りました。
何回も出入りしているのですが、原毛が展示してあると今回初めて気づきました。
糸は触っても、原毛を触る機会はほとんどないので、貴重な機会でした。
その中でもモヘア・カシミア・ウールの原毛をご紹介させて頂きます!
まずはモヘアですが、
モヘアはアンゴラヤギの毛で、
夏用のスーツや、冬のコートやニットに使われたりします。
3つの原毛の中でずば抜けて、光沢がありました。
モヘアを使った生地で仕立てたスーツは光沢があるのも納得でした。
ウールと違ってクリンプが少なく、ストレートの毛だなと感じました。
そして3つの原毛の中で平均繊度が一番太いです。
原毛が太いため細い糸を作るのが難しく、モヘア100%で細い糸はほとんど見たことありません。
クリンプがないので、ウールに比べてシワの対応力、伸縮性は劣るなと原毛を見て感じました。
生地で見ると特徴はそれほど分かりませんが、原毛で見ると全然違うなと。
次はカシミアです。
写真に書いてある平均14.5マイクロンはウールでいうスーパー180クラスになります。
改めてとんでもない素材だと思いました。
もちろん触り心地は3つの中で群を抜いて良かったです。
高級な素材なのが伺えます。
しかし声を大にして言いたいのが、カシミアクラスのウールは世の中に沢山あります。
スーパー140の原料を使用したウールでもカシミアクラスの風合いになるので、
希少性とイメージでカシミアの方が凄いイメージですが、ウールも決して負けていないと言うことです。
続きましてウールになります。
まず写真を見ると他の2つの原毛に比べて、汚いと思われるかもしれませんが、
ウールだけ洗い前なので汚いのです。
平均19.4マイクロンはスーパー80くらいになります。
これはメリノウールなのでここまで細いですが、
英国羊毛等はもっと太くなります。
近くで見ると結構グロいです。。。
しかしクリンプがあるのは分かるかと思います。(パーマみたいなクルクルしてる感じです)
手のひらでギュッと握って、返りがいいのはダントツでウールでした。
今回原毛を見て触ることで、この素材を活かした服作りをしないといけないと強く感じました。
やっぱり生地の見た目だけでは特徴は分かりづらく
モヘアは原毛を見て、やっぱりウールに比べるとシワの回復力は絶対に劣るなと思いましたし、
逆に艶は凄まじいものがありました。
スーツを着用する時お客様が何を求めているか。
そこで今回原毛を見たことで、助言がしやすくなったと感じました。
それでもやっぱり総合的に見てウールが最高だと感じた一日でした!