18. 織り上がった生地
2021年09月13日
今回は織り上がった生地についてお話したいと思います。織上がった生地のキバタと言います。ゴワゴワしてパリパリですごく硬い生地です。このままでは服にしても全く着心地は良くないです。
この織上がった生地を整理工程を通すことで、柔らかくしたり、艶を出したり、起毛したりできます。写真のキバタでも整理工程を変えることで全く違う表情になります。
以前も出てきましたが、オリジナル生地で麻の生地はこのワッシャー工程がほぼ入ります。この工程が硬さをなくし、柔らかくしてくれます。このあと巨大の乾燥機に入れて、乾燥させることにより膨らみのある生地に仕上がります。
お湯で洗い込み、乾燥することで糸が縮みます。縮むことによって密度が詰まっていきます。麻なので縮みは少ないですがウールですと同じ工程をすると2倍近く縮みます。なのでウールですと、キバタと仕上がりでは全く違う表情になるものが多いです。生デニムはこの整理の加工の工程を通していないので、洗濯をすることで、ノリが落ち生地が縮むので、サイズが小さくなります。
素材の特性を知ることで、その素材を最大限に生かした整理工程を組むことができます。生地に関わっていると、この整理工程の重要さを痛感します。