16. 尾州産オリジナル生地紹介
2021年09月06日
今回はAW生地の紹介をしていきます。
尾州で糸から企画し、作成したオリジナルの生地になります。
ジャケットやシャツ、軽いコートに使えそうな生地で、スーパー140の原毛を使用しており、肌触りは凄くいいです。この生地の一番の特徴は、この霜っぽい掠れた色がなんとも言えない表情を出しています。
タテ糸はブラックですが、ヨコ糸に少し通常とは違う糸を使用しております。
写真を糸はヨコ糸になります。この糸はブラウンの糸と、ベージュの糸を撚り合わせて作られた糸になります。今まで度々登場してきた双糸になります。今まで説明してきた双糸は同色の糸を撚り合わせていましたが、今回は違う色を撚り合わせています。これを杢糸と言います。スーツ地にもたまに使用されますが、カジュアル地によく使われている気がします。
単糸で作ることもできますが、あえて2本より合わせることで、見た目の表情も変わるし、目付け(生地の重さ)もつけることができ、強度もつけることができます。かつこの生地は綾目がしっかり出るように生地組織にも工夫しており、見た目を通常の生地よりも何か違うなと感じさせるものになっております。
生地企画の段階で色々想像して生地を作成します。生地のことを知ることによって、その生地が一番生かされる仕立てができると思っております。生地からどのような服に仕立てるか。生地はそれを決める重要な役割をしています。