158. 試行錯誤
2023年02月24日
今回は型紙についてお話させて頂きます。
最近はどうしたらより美しいシルエットが出るのか、考えております。
タイトにすることが、カッコいいのではなく
どうやってシルエットを出すのかが、よりかっこいいスーツに近づいていけるのではないかと考えております。
写真は包装紙を使ってジャケットの左側を作ったものになります。
最近凄く思うのですが、前身は狭い方がカッコイイなと思います。
人間腕を出したり、前屈みになることが圧倒的に多いです。
前身を狭くすることで、腕が出しやすい服になりかつ、
前からの見た感じが細く見えます。
上の写真は細腹と呼ばれる横の部分で、袖幅にも影響する部分です。
N tailor designではフルオーダーのように型紙を一から引くのではなく、
いくつかのパターンから選んで、体型の補正をしていきます。
パターンによってこの細腹の大きさが全然変わってきます。
同じウエスト周りでも、パターンによって前が大きかったり、細腹が大きかったり、後ろが大きかったりします。
これを理解することが非常に重要だと、最近痛感しております。
この細腹が大きくなると袖も大きくなりやすいですが、
ここの肩周りが機能性に関わる所で、
ゆとりを取ることは凄く重要ではないかと考えております。
もし細身にしたいのであれば、肘から下を細くすることをお勧めします。
後身は本当に難しい箇所でもあります。
ここにゆとりがないと、本当に動きにくいスーツになってしまいます。
後ろがカッコいいスーツは本当に惚れ惚れします。
フィッターとしては一番頭を悩ます部分ではありますが・・・
包装紙でやることで、何回も試すことができます。
生地とはハリ感が違うので、その通りにはいきませんが、
包装紙の方がシルエットが出るので、削ったり、出したりすると顕著に出るので非常に参考になります。
服を分解して、包装紙で服を仕立てる。
たくさん試行錯誤して、何かかっこいいスーツを仕立てていきたいと思います!!