154. 尾州のウールでオーダーシャツ
2023年02月10日
今回はサンプルで作ったシャツが仕上がりましたので、ご紹介させて頂きます。
生地は尾州で製作したウール100%の生地になります。
糸から企画して作ったオリジナルの生地です。
経糸・緯糸共に双糸を使っており、経糸にネイビーの糸・緯糸にグレーのトップ糸を使用しています。
わかりにくいですが、私の大好きなシャンブレーの生地になります。
整理加工もスーツ生地でも使用するような加工をしているので、程よい艶感があります。
どこがスーツの生地と違うかというと、
密度が全然違います。
今回の生地は密度が甘いため、トロトロの生地感で肌触り抜群になっております。
今まではハリ感を強調して言ってまいりましたが、
この生地はハリがあまりありません。
そしてコシもありません。
なのでスーツ生地には適さず、服に仕立ててもカジュアルの印象になってしまいます。
密度が甘いことで、ドレープが凄く綺麗に出ます。
生地にハリがあるとストンと真っ直ぐに落ちてしまいますが、
生地に密度がないと、カーテンのようなドレープがでます。
密度が甘い分、生地の強度自体が落ちるので、サイズ感はゆったりとして、
動きが出ても生地に負担がかからないようにしています。
サイズ感がゆったりになればなるほど、ドレープが出るので、一石二鳥です。
ウール100%なので、扱いが面倒臭いイメージがありますが、
このシャツは家庭用の洗濯機で洗うことが可能です。
ウールは洗うと縮みやすい印象がありますが、今回のシャツはあらかじめ製品で洗っているので、
ほとんど縮むことはありません。
起毛をしていないので、真冬だと少し寒く感じますが、
これから冬から春に向けては持ってこいのシャツになります!!
冬にウールの印象がありますが、暖かい季節でもウールを着用することで、体温の調節をしてくれます。
汗をかいた後、体が冷えるということがあまりありません。
私の実感ではありますが、ウールほど体に優しい素材はいまだに見つかっていません。
最近凄く思うのが、服はオシャレであることよりも自分の体を守るものでなければならないと感じます。
どのような素材を着るのかを考えて、洋服選びをする事が本当に大事だと感じます。
これからも素材から考えた、服作りを続けていければと考えております!