12. 尾州オリジナル生地が織れるまで〜整経編〜
2021年08月23日
今回は生地を織る工程で欠かせない、整経についてお話させて頂きます。織物は必ずタテ糸とヨコ糸が直角で交差することで作られています。そのタテ糸を準備する工程が整経といわれます。
まず最初の工程が枠立てと呼ばれる工程になります。ここで色柄が決まるので間違いがないよう、柄の確認を慎重にしていきます。写真は黒無地の生地になるので、黒の糸がずらりと並んでいます。もしストライプやチェック柄ですと色々な種類の色糸が並びます。
この写真の生地はタテ糸が4000本近くの糸本数になります。4000本の糸を並べるとと膨大のスペースを必要とするので、例えばですが、150本並べて26回繰り返すことで4000本に近い本数にすることができます。
上記の写真の様に150本程の糸を小分けにして、繰り返すことで全てのタテ糸本数を巻きつけていきます。
小分けした約150本の糸の順番を決めるのが写真のアゼになります。整経後の綜絖差しと呼ばれる工程でアゼがないとできない工程があるので、ここの部分が抜けたら生地が織れなくなってしまいます。
小分けした糸を写真の整経機に繰り返し巻きつけていきます。全部の糸約4000本巻きつけた後、ビームと呼ばれる織機に乗せるタテ糸専用の機械に巻き取っていきます。ビームにタテ糸を巻きつけて整経の工程が終わりになります。
簡単に説明させて頂きましたが、ここの工程がうまくいきますと、織る作業もスムーズになり傷のない良い生地ができます。なのでこの工程がすごく重要になります。天然素材は、種類によって糸の伸縮性が全然違います。その特徴を理解せずに整経をすると全く織れなくなる可能性があります。なので整経は慎重に進めて行かないといけない大事な工程になります。