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107. 尾州で生地ができるまで〜第4話〜

2022年07月22日

前回は経糸を作る、整経のお話しをさせて頂きました。

整経の次は織りの工程なのですが、織る前に重要な綜絖差し・筬差しという工程についてお話しさせて頂きます。

凄く地道な工程で、現場にいた頃は結構嫌いな工程でもありました。

銀色の細い棒が綜絖と呼ばれるものです

上の写真が綜絖と呼ばれるもので、小さな穴があるのが分かるかと思います。その穴に一本一本の糸を入れていきます。

何千本ある糸を一本一本入れていくのです。。。

本当に気が遠くなる作業です。

生地によっては10,000本綜絖を差さないといけない時もあり、1日以上綜絖差しするという日もあります。

この綜絖は組織を決めるにあたって重要な役割をしてくれます。織物で組織は本当に重要なポイントでもあるので、この綜絖差しなくして生地は織れません。

この穴に適当に差せばいいというものではなく、ちゃんと順番通り差さないと事故反の原因になります。

前現場にいた時はこの綜絖差しが凄まじく早いベテランの方がいました。同じ人間ではないのではないかというくらいのスピードです。

綜絖差しは悪く言えば、誰でもすぐにできてしまう工程です。しかしスピードとなると中々身に付きません。

このベテランの方はトップガン マーベリック級に感動するスピードです!!

綜絖差しでオリンピックがあったら間違いないく金メダルだと信じています。

銀色の隙間に糸が2本ずつ入っています。

綜絖を差したら次は筬差しになります。これは一本ずつではないのですが、根気がいる作業であることは間違いありません。

生地の規格によって隙間に入れる本数は変わっていきます。

筬は経糸の密度を決める重要な役割をしています。

この筬がないと、密度や生地の幅が決まらないので、生地を織ることができません。

この2つの工程は生地を織る上で、目立たない工程ですが、生地を作るためには必ず必要不可欠な作業になります。

2つの工程を終えて、ようやく織機にかけて生地を織る工程に入ります。

織機で生地を織る前に綜絖差し・筬差しと呼ばれる凄く地道な工程があることを知っていただけたら嬉しいです。

次回は生地を織ることについてお話しさせて頂きます。

第5話になります。

N tailor designでは初対面のお客様には初回でお売りすることは控えております。生地の説明・採寸はさせて頂き、もしご購入頂ける際は後日に再度ご訪問・ご来訪して頂いております。どのような生地があるのか、どのように採寸するのかを体験して頂くことで、お客様が納得した形でご購入頂けるようにこのような形式にさせて頂いております。出張した際の料金は発生しませんので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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