2.生地組織〜綾織編〜
2021年07月08日
今回は綾織についてお話したいと思います。
綾織にもいくつか種類があります。トップの画像の組織図が2/2の綾と呼ばれ、平織の一本ずつの浮き沈みとは違い2本ずつの浮き沈みとなります。綾織は平織よりも密度を込める事ができるので、目付けが重くなりやすいです。なので2/2の綾は夏ではほぼ見る事なく、秋から冬にかけて多くみる組織になります。
次に3/1の綾についてお話します。
上の組織図が3/1の綾になります。デニムの生地はこの組織になります。組織図を見ると、塗りつぶされている部分が多いのでタテ糸が多く出ているということになります。逆にヨコ糸は裏面に多く出ていることになります。なのでデニムは、タテ糸にブルー系の糸、ヨコ糸に生地糸と呼ばれるオフホワイトのような糸を使用することで、表面がブルーの色、裏面がオフホワイトのような色になります。だからデニムは表裏の色が違うのです。2/2の綾、平織は表裏の出てる量が変わらないので、表裏では色は変わりません。
今度は2/1の綾についてお話します。
上の組織図が2/1の綾になります。この組織で多いのが、合物と呼ばれるスーツ地が多いです。目付けで言えば230から280くらいの綾織の生地です。このくらいの目付けで裏表の生地の色が違っていれば、高い確率でこの組織であると言えます。平織と2/2の綾の中間みたいな感じです。合物と重宝されますが、組織のバランスが悪いためか、破れたパンツの組織を調べてみるとこの組織が多い気がします。なのでN tailor designでは2/1、3/1の組織の時はパンツの股に強化テープを貼って対応しております。生地を見ただけで綾織というのはわかりますが、その種類によってメリット、デメリットを把握することで長く着用できる一着をお仕立てしたいと思っております。