60. 一宮で作る麻生地ができるまで〜織り編〜
2022年02月07日
今回は織りにピックアップしてお話しさせて頂きます。この麻を織ることがウールや綿に比べて難易度がかなり上がります。その理由の大きな理由は、ウールに比べて麻は伸縮性が全然ありません。生地をおる上で糸には必ず張力が大切になっていきます。糸が張っていないと生地を織ることができないのです。ウールは伸縮性があるため張力に対応できるのですが、リネンは伸縮性がないため張力を合わせるのが凄く難しいのです。この張力の設定を整経(経糸を準備する工程)で間違えると織機で織る時に、糸が凄く切れて中々織れなかったりしてしまいます。
以前私自身も整経を1年ほどさせて頂いていた時期がありましたが、麻はのテンションは本当に難しかった記憶があります。整経でテンションをミスしてしまうと、織りの方で凄く迷惑をかけて傷が多い生地になってしまうので、かなりのプレッシャーがありました。整経を教えてくれた方が、人も糸もテンションが大事だと言っておりました。本当に名言だと思いました。笑
麻は春夏物が多く店頭に多くで始めるのが、4月ぐらいからになります。なので生地を織るのが秋から冬にかけてになり、乾燥した時期に織ることが多くなります。麻自身水に濡れると強度が強くなる素材で、湿度によって織れやすさも変わっていきます。乾燥すると麻は糸が切れやすくなるため、湿度を調整するため加湿をしなければいけないのが、また麻の厄介な所でもあります。
染色から織りにかけて麻は他の繊維に比べてとても気を使う素材です。ですが麻は水に強く特に夏には欠かせない素材になります。夏麻よりも快適に着用できる素材はないと個人的には思っております!!
もし店頭で麻100%で薄手の生地を見かけましたら、苦労して作られた生地を使っているんだなと思って頂けましたら幸いです。
下記のURLは麻の特徴が書いてある別のサイトになります。