25. 尾州オリジナル生地〜整経編〜
2021年10月07日
今回は整経の仕組みを動画にしました。整経とはタテ糸を準備する工程のことです。尾州ではウール・綿・麻など様々な素材を扱うので素材の特徴を理解して、張力を調整するのが非常に重要になります。動画では上記の全ての素材を扱える尾州でも貴重な機屋さんになります。
今回のタテ糸は綿の生地糸です(染めていない糸)。最初に見えるのが枠立てと呼ばれており、必要な糸本数を立てていきます。動画では約200本立てています。今回タテ糸の総本数は約4000本なので、20回に分けてタテ糸を準備していきます。
動画では約200本のタテ糸がドラムに巻かれて行っています。ドラムの前に密度を決めるオサがあります。整経でも密度をある程度決めて置かない織機に乗せることができません。
動画の最後でドラムに巻きつけてある糸束が6つあります。(これをバンドと言います。6バンド)これが20回中の6バンドつ終わって、今が7バンド目になります。残り13回糸をドラムに巻き付けないといけないということになります。
200本×20バンド=4000本 という計算になります。
以前の職場で合成繊維を整経し、織り上がった後検反すると整経のバンドごとに線が入ったことがありました。生地に20本くらい線が入ってしまったのです。張力の設定ミスで出てしまいました。生地はB反と呼ばれ、正規の反物で扱われませんでした。整経のミスが全てを台無しにしてします大きなミスで、血の気が引いたのを今も鮮明に覚えています。
整経で織物の出来が決まると言っていいほど重要なポイントになります。