スリーピース

今回のスリーピースはフォーマル用にスーツが欲しいとのことで、お仕立てさせて頂きました。襟型もピークドラペル、ノーベントにし通常のスーツではあまり使わないデザインにさせて頂きました。スラックスもサスペンダー仕様にしよりフォーマルな印象になっております。今ではほとんどベルトですが、サスペンダーはスラックスを凄くキレイに見せてくれるのでスリーピースの時は凄くオススメです。

生地は尾州で織ったウールシルクの生地になります。特殊な撚り合わせをした糸で、ウールの糸にシルクの糸が巻きつけている糸になります。双糸の一種になります。ウールの生糸に黒色のシルクを巻き付け、そこから写真の様な明るい紺に染色することで、元から染めてあったシルクの黒色は紺色に染まることなく黒のままで、明るい紺の中にシルクの黒色がチラつき無地でも深みのある色合いなっております。

組織も朱子織にすることで、密度もつまり、艶感がでて高級感があり仕立て映えする生地になります。

服にした時必ず動きが加わるので、動くことでこのような工夫がしてある生地で仕立てた時、見え方が大きく変わってきます。素材や糸から考えることで、見た目がなんか違うスーツだなと感じて頂けるかと思います。