266. やっぱり2/2の綾ですよね。
2025年09月05日

まだまだ暑い日が続きますね。
尾州で仕事を始めて、かれこれ10年以上経ちました。
生地は凄く奥深く、まだまだ勉強中ですが、
良いスーツ生地の定義が自分なりに確立してきました。
糸使いは経糸・緯糸双糸
これは外せません。
それ以上に外せないのが、
生地の組織が
平織りか2/2の綾ということです。
夏用のスーツ生地は間違いなく平織りが良いと思います。
どうしてもオールシーズン着用したいとのことでしたら、
平織りの生地が良いと思います。
夏に綾織の生地は肌に付きやすく、非常に不快になります。

上記の写真が平織りの組織図になります。
黒のマスが経糸が上に出ていて、白のマスが緯糸が上に出ております。
経糸が浮いて、沈んでを繰り返す一番オーソドックスの組織です。

上の組織が2/2の綾になります。
寒い時期のスーツ生地にオススメの組織になります。
夏用と冬用を目付で判断されることもあるかと思いますが、
組織も凄く重要です。
写真を見て頂くと経糸が、
浮いて、浮いて、沈んで、沈んで
になっております。

そして問題のよく出回っている2/1の綾の組織図になります。
経糸が
浮いて、浮いて、沈む
組織図になっております。
これを見て分かるように、平・2/2と比べて、
浮き沈みのバランスが悪いです。
そして2/2の綾に比べて、しなやかさが悪くなります。
このしなやかさはスーツになった時、動きが出る時に必ず影響が出ます。
沈むが一箇所しかないので、生地にハリ感が出ます。
このハリは密度を込めたハリとは違う、悪いハリだと個人的に思います。
(スーツに限った話です。ギャバのパンツやコートはこのハリ感が良かったりします。)
生地を決める上で、
色柄も大切ですが、生地の組織や糸使いはもっと大事だと思います。
これから冬に向けてスーツをお仕立てされる方がおりましたら
是非参考にして頂けると嬉しいです。
合言葉は経糸・緯糸双糸で2/2の綾です!!