1.生地組織〜平織編〜
2021年07月07日
組織のことを話す前にまずは生地には大きく分けて、織物と編み物の2つがあります。違いをざっくり説明させて頂きます。
織物は組織に関わらずタテ糸とヨコ糸直角に交わります。これが織物の大原則です。意外に単純だなと感じますが、組織の種類はめちゃくちゃあります。理屈は単純ですが、織物はめちゃくちゃ奥が深いのでこれから少しずつ話ていきたいと思います。主に洋服ではパンツ、シャツ、ジャケットに使われることが多いです。
編み物は生地になる糸がカーブします。糸と糸が引っ掛かるようにして生地となります。今では糸から製品になるホールガーメントと呼ばれるものがあります。主に洋服ではTシャツ、セーター、インナー類は編み物が使われる事が多いです。
織物は糸が直線的で、編み物は糸が曲線的に使われています。この2つの簡単な見分け方は伸びるか伸びないかです。今は織物でもウレタンを使って伸びる服が増えてきましたが、織物はあまり伸びなくて、編み物は伸びると思っていただけたらいいと思います。
ここからは本題の生地の組織についてお話したいと思います。組織には三原組織と呼ばれ、よく使われる3つの組織があります。
1 平織
2 綾織
3 朱子織(しゅすおり)
今回は洋服に多く使われれている平織についてお話していきます。
左の図が平織の組織図と言われるもので、右が平織で織られた生地になります。
左の図が生地の企画をする時使う組織図と言われるものです。縦軸がタテ糸、横軸がヨコ糸になります。この図ですと、タテ・ヨコに8本ずつの糸があることになります。縦軸の左から1本目の糸は黒・白・黒・白・黒・白・黒・白となっています。黒はタテ糸が表側に出て、白はタテ糸が裏側に出るといった意味になります。
右の写真の生地ですと、紺色のタテ糸、サックスブルーのヨコ糸が一本ずつ交互に沈んで浮き上がってを繰り返してます。この一本ずつ交互に浮き沈みするこれが平織と呼ばれる組織になります。
この組織を知ることで、いつ着用するスーツ生地かを大体見分ける事ができます。平織の組織な基本春夏物で、冬に平織のスーツ店頭に出されることはまずありません。なぜかというと肌に接地する部分が点になるため、通気性がいいということ。もう1つが綾織に比べると少ない密度でも強度を保てること。(軽い生地を作る事ができる)なので特に夏はスーツに限らず服全般、平織の生地を使ったものが増えます。夏でもパンツを履かないといけないということであれば、間違いなく平織の生地で仕立てた方が快適に過ごす事ができます。夏のスーツのパンツがすぐにダメになってという相談を受けて、パンツを見ると平織ではなく綾織であることも多々あります。生地は色柄だけでなく組織も考慮する事ができたら、より快適に長く着用できる一歩になるかと思います。