208. 僕がなぜ普段着をオーダーすることになったのか。(2)
2023年12月11日
前回の続きをお話させて頂きます。
生地工場を辞めて、生地規格の仕事に転職する所までお話させて頂きました。
少し話は変わりますが、生地工場に勤め始めた時から副業で、オーダーの仕事も始めました。
ここから私自身のカジュアルのオーダーの始まりでもあります。
この時は生地がカッコイイ、服にしようみたいな感じで、
この生地はこのアイテムが合うなとはあまり考えていませんでした。
なのでこの時作った服は今ではほとんど着ていません。
やっぱり、今までの経験でどうしても綺麗めな服に仕立ててしまう傾向がありました。
ここから生地規格の仕事を経験することで、少しずつカジュアルの服を作る感覚が変わっていきます。
生地規格の仕事を始めて、意外に早く自分の生地を規格させてもらえるようになりました。
凄くものづくりがしやすい環境だったと思います。
その時は思いませんでしたが、今振り返ると最初はダサい生地を規格していたなと思います。
やっぱり服になった完成系をイメージできてないので、服になった時があんまりカッコ良くありませんでした。
でも生地規格の仕事は沢山の生地に触れることができるので、この生地はこうやって作られているのかと、大枠わかるようになっていきました。
カジュアルの生地も多く触れたので、少しずつこうゆう生地はこういった服がカッコイイのでは?
といういのが少しずつ理解できてきた頃でもあります。
そして一年程でまた別の生地規格の会社に転職します。
会社からしたら、めちゃくちゃワガママな社員です。。。
勉強だけして辞めるみたいな感覚です。
でも自分自身どうしてもその会社で働きたく、迷いなく転職します。
今でも週2程度働かせて頂き、オリジナルの生地を作らさせて頂いています。
そこの会社に入っお陰で、カジュアルのオーダーが加速していきます。
レディースの生地が多いので、今まで見てこなかったような生地も多々ありました。
しかし派手な生地は少なく、シンプルな規格のものが多く、自分の好みにも凄く合っていました。
そこの会社で何が良かったと言うと、生地から洋服になった所を多く見えたことです。
やっぱり生地だけ沢山見るよりも、
洋服にして、実際に着た方が、間違いなく次に生かすことができるし、
より良い生地を規格することができます。
やっぱり生地は服にしてこそ意味があると個人的には思います。
どんな綺麗でカッコいい生地でも服にした時にカッコ良くないと意味がありません。
そして綺麗な服だけがカッコいい訳ではなく、少し汚く見える生地でもカッコいいと思うようになってきました。
これも実際に服にして、着たからこそ分かったことで、
綺麗な服ってめちゃくちゃ気を使うんです。
個人的には普段着る服はそこまで、気を使いたくないんです。
なので、最初からシワになる服を着たり、ジャケットを洗ったり、ウールも洗ったりします。
カジュアルは楽に着たいのです。
でも清潔感がない格好はダメでなので、
そこは素材に拘ることで、カッコいいし、快適に過ごすことができます。
歳を重ねつと、我慢が効かなくなってきます。
なので快適な服装も凄く大事になってくるなと最近は強く思うようになりました。
そうなってくると素材を理解することは大切になってきます。
そしてTPOに合わせて服を着ることは凄く大切だと思います。
カジュアルな場で、決めすぎていたら浮くし、フォーマルな場でラフすぎたらそれも浮きます。
普段ラフな格好をしている人でも、いざフォーマルの席でビシッとスーツを決めていたら、めちゃくちゃカッコ良くないですか?
カジュアルとフォーマルの間が開けば開くほど僕はカッコいいなと思います。
だからこそ、スーツも仕立てたいし、普段の服も仕立てたいのです。
そして自分で色々試して、生地からその反省を生かして作ることができる。
これができるから仕事にちょっとした楽しさを見出せます。
これからもカジュアル生地を作り続けて、今以上に尾州の生地でカジュアルのオーダーに力を入れていきたいと考えております!!