207. 僕がなぜ普段着をオーダーすることになったのか。(1)
2023年12月04日
約2年前、私がオーダースーツの事業を始めた時から、カジュアルのオーダーに力を入れてきました。
自分事ですが、tシャツやニット製品を除いて全て、自分で仕立てた服を普段着で着用しています。
その中で8割以上は尾州の生地で仕立てていると思います。
多分ですが、ここまでラフのカジュアルの普段着をオーダーできる所は少ないのではないかと思います。
そこまでの道のりを話ていければと思います。
もともと服が大好きで、服の仕事がしたいと思い消防士を辞めて、たまたま縁があってオーダースーツの店で働き始めました。
その時の普段の服は、オーダーするのではなく普通に服屋さんで買っていました。
自分の中でもオーダーする服はカチッとするので、仕事やちょっと特別な時に着るものだと思っていたのだと思います。
そして海外に行き、ホームシックになってすぐに帰ってきて、
本当に何やろうかなと迷っていました。
もう服の仕事は辞めて、別の仕事をやろうと思いホテルの仕事などの面接も受けていました。
やっぱり迷いがある時は面接も受かりませんでした。
そしてここが大きな転機なのですが、
なぜかは覚えていませんが、一宮にある葛利毛織さんに工場見学いったのです。
しかも急に連絡して、たった一人僕のために工場を見学させてくれたんです。
マンツーマンで工場の説明をしてくれたのです。
今では考えられない、贅沢な時間です。
そこで、スーツ屋になるスーツ生地やジャケット生地以外のカジュアル地やレディースの生地を見たのです。
めちゃくちゃかっこいいやん!と思いました。
はちゃめちゃ感動しました。
そして生地の仕事をしたいと一瞬で思いました。
その日にアルバイトでもいいから雇ってくれないかと交渉しましたが、ダメでした。笑
冷静になって家に帰って考えました。
生地の仕事は絶対にしたい。
そして生地を自分で作って、前職のオーダーの仕事を生かして服にすることを考えたのです。
そして何十件か尾州の生地関係の会社に連絡しましたが、未経験の素人は雇ってもらえるはずもなく、
途方に暮れている中、生地工場での求人があったのです。
失礼な話ですが、生地工場でも入ってしまえば未経験ではなくなるので、この時はどこでもいいから
生地関係の仕事をして経験者になれば良いと考えていました。
色々面接していくうちに、人が良くこの会社でなんとしても働きたいと思うようになってきました。
自分は当然のように採用になると思っていましたが、結果は不採用。
迷いがなくなった自分はアルバイトでも入れて欲しいと懇願します。
そして雇って頂くことになったのです。
ここから尾州での生地人生が始まります。
今振り返って思うのですが、尾州は人がめちゃくちゃ良いです。
入ってからは工場の業務で、整経と呼ばれる経糸を準備する工程をやらさせて頂きました。
ここでの現場の経験が、今では本当に良かったと感じます。
どうやって生地ができるのか、生地の規格の読み方を自然と学んでいけました。
そしてどうしても生地規格の仕事をしたかったので、転職することになります。
ここから本格的に生地を自分で規格する人生が始まります。
最初は一回で完結しようとしたのですが、途中から熱が入ってきてどんどん長くなってしまったので、
続きは次回にさせて頂きます。