196. 一宮の生地でハーフコート
2023年09月25日
こんにちは。
先週から少しずつ涼しくなってきました。
最近天気予報で、気付いたことがあります。
今までは最高気温に目が行きがちでしたが、最低気温を見るのも大事だと。
最低気温が落ちると、朝晩が涼しく体感が変わってくるなと感じます。
この気温の変化で秋にグッと近づき、冬を迎えます。
オシャレが一番楽しい秋冬の季節がやってきます。
そこで今回はハーフコートのご紹介をさせて頂きます!!
尾州(一宮)で織った生地を使用したコートになります。
二重織りと呼ばれる、2枚生地を1枚の生地にしたようなイメージです。
コート生地に良く使われる組織ですが、
今回は表側がウール。
裏側がコットンになります。
中々異素材の二重織りを見ることは少ないかと思います。
写真ですと左側が表で、右側が裏になります。
表はシェットランドと呼ばれる英国羊毛を使用しております。
英国羊毛は原料が良いウールに比べると硬いですが、
その英国羊毛の中でもシェットランドは柔らかい方です。
(私の体感です。)
上の写真はコートの裏面になります。
コットン側です。
裏面をコットンにすることで、裏地の必要がなくなります。
めちゃくちゃカッコよくないですか??
この写真を見て、何でこんなに凸凹しているのと思った方がいると思います。
そこに気づいてくれた方は、感動して泣いちゃいます。
当然これには訳があります。
ウールとコットンでは縮みの量が変わってきます。
整理加工でお湯で洗ったりすることで、ウールが縮みます。
因みに天然素材でウールが一番縮みます。
ウールの糸の長さが縮んで短くなる分、コットンは距離が短くなる変わりに膨らんでいきます。
そうなることで凸凹した見た目になるのです。
キルティング調に見えるのは、接結と呼ばれる表と裏の生地を止める糸が作用しています。
これは文字だけでは説明ができません。
自分もこの規格の仕事をやって、接結のことを理解するのは凄く時間がかかりました。
異性の気持ちを理解するくらい難しいです。笑
この生地規格は凄く考えられていると思います。
服になったことをイメージして作られています。
本当に生地の力は凄いなと感じます。
上の写真は服を裏返ししたものになります。
表と裏では全然表情が違うのがわかるかと思います。
今回は英国羊毛を使っているのがまたカッコいいですね!
ウールは柔らかく肌触りが良いのがいいものだと思われる方がほとんどだと思います。
私自身も生地の規格をするまではそう思っていました。
しかし粗いウールの粗野感、ワイルド感がめちゃくちゃカッコいい。
きめ過ぎないカッコ良さがあります。
シワくちゃの方がカッコいいカッコ良さがあります。
尾州(一宮)では色々な生地が作られています。
この生地の規格の仕事をやって、生地に対する考え方が変わりました。
素材から考えて服を作ることは、長く着用する服には非常に重要になるかと思います。
正直冬がくるまだイメージは湧きませんが、
尾州の粗いウール生地でオーダーコートはいかがでしょうか??