117. 荒川亮太の道のり〜第7話〜
2022年08月26日
フィリピンから帰国し一ヶ月ほど日本に滞在し、オーストラリアのシドニーに向かいました。
オーストリアはフィリピン比べて、色々な面で整備されており、環境の面は全く気にならなかったです。
至る所にゴミ箱があり、街が凄く綺麗だった記憶があります。
特にビーチがめちゃくちゃカッコ良かったです。
日本に比べて、ビーチがめちゃくちゃ長い。
ビーチ沿いの散歩が本当に気持ちよかったのを覚えています。
ビーチの周りの店も雰囲気がよく、一日中フラフラしていても楽しかったです。
これぞ海外に来たなという感じでした。
1つオーストラリアで忘れられないエピソードがあります。観光で、スリーシスターズと呼ばれる岩を見に行ったのですが、山奥のため電車がなく、バスでしか行けない所でした。
行きは問題なかったのですが、帰り中々バスが来なく、まぁゆっくり歩いて行くかとテクテク下山しました。しかし雲行きがだんだんと怪しくなって来て、日本では見たことない暗さになりました。昼なのに夜になった感じです。街灯もなく、車も人もいない状況でした。山を降りるのも相当時間がかかるのにどうしようかと、このまま行方不明になってしまうのではめちゃくちゃ怖くになりました。
そこに一台の車が通りかかって、乗っていきなよと言ってくれたのです。涙が出るくらい嬉しかったのを覚えています。オーストラリアの人の温かさに触れた瞬間です。この出来事は今でも強烈に記憶に残っています。
オーストラリアでも一ヶ月程、語学の学校に通いました。色々な国の人と触れ合えたので、これも良かったなと思います。
フランス人はただただカッコ良かったし、ブラジルの人はとにかく英語ができなくてもめちゃくちゃ適当に英語で喋るし、韓国の子は母国が嫌だから絶対に海外に移住するみたいなことを言っていました。
国によって性格が違うというのは本当なんだなと感じました。
ホームステイ先の家も凄く広くプールまでありました。地下と一階だったのですが、地下は全部使ってもいいよと言われました。ベッドも広く自分の実家よりも快適な住環境でした。
そうこうしている内に一ヶ月がたち、学校・ホームステイも終わるので、仕事とアパート見つけなければいけなくなりました。
部屋を借りるとめちゃくちゃ高いので、シェアハウスを探しました。何件か見学に行きましたが、中々良いところが見つかりません。本当に住む所一つ探すのも一苦労です。
なんとか現地の人とインド人が住んでるシェアハウスを見つけて住み始めました。
インド人の方はスーパーのマネージャーをやっているみたいで、あまり家にはいないので、話す機会は多くなかったのですが、英語もペラペラで、香水を凄くつけていたイメージです。
何度か話た時、自分もそこまで英語を話せなかったので、その程度の英語では働けないと言われた記憶があります。仕事なめんなよみたいなことだったと思います。ゆっくり喋ってくれないので、うまく聞き取れなかったのですが。。。
アパートが決まったので、後は仕事ですがインド人が言った通り中々決まりません。この時相談する人や知り合いがいなかったので、めちゃくちゃ日本が急激に恋しくなってきました。
店に突撃して雇って下さいみたいなことをやっていました。もちろん全然相手にされることはありませんでした。そこでふと思ったのです。オーストラリアにきて日本の飲食店や工場勤務をやって意味あるのか?
という疑問が凄く湧いてきました。そこでせっかくならオーダースーツの店で働きたい思いが強くなりました。オーストラリアはイギリスの植民地だった歴史があるので、シドニーにもカッコいいテーラーが何軒かありました。
シドニーのテーラーを全部当たって、ダメだったら帰国しようと決意しました。
ホームシックというより日本が凄く恋しくなっていました。友達や家族、知り合いにめちゃくちゃ会いたい気持ちが強くなっていました。本当に孤独感が凄くありました。スポーツ選手が、海外に行ってあまり活躍できずに帰ってくることがありますが、絶対に悪く言うのはやめようと心に誓いました。
でもやれることはしようと、テーラーに突撃で訪問しましたが、全部撃沈しました。よしこれで帰れると安堵の気持ちと自分は何にもできないなとショックな気持ちになりました。
海外で一旗上げてきてやるくらいの勢いで、行ったにも関わらず、3ヶ月程で帰るとういう惨めさ。オーストラリアにいる時は帰る喜びが上回ってましたが、帰国した途端に、自分の惨めさに苛まれました。
ここで今まで日本でやってきたことは、周りの助けのお陰だなと痛感しました。自分の力なんて本当に大したことないと感じました。オーストラリアで周りの助けがなかったら、何にも出来なかったので。
今振り返ると今までの人生で一番落ち込んだ時期だと思います。
次回は海外から帰って来て何をやったかお話しさせて頂きます。