75. 尾州(一宮)で生地設計を勉強した時のこと
2022年04月01日
今回は生地の企画を始めるにあたって、一番最初に勉強さしてもらったファイルが整理したら出てきたのでそれについてお話ししたいと思います。画像にも出てしまっていますが、シバタテクノテキスという会社から一番最初に生地の設計について教えて頂きました。シバタテクノテキスは生地の企画ではなく、生地を織る工場ですが、素人の僕に凄く丁寧に設計のことを教えて頂きました。
http://www.shibata-technotex.com/
ここでの経験がなければ、間違いなく今の自分はいません。それぐらい生地の基本を教えて頂きました。
社長が用意してくれた生地を、一本一本の糸をほついて、分解をしていってどのような組織で生地が作られている把握します。これを1週間に一回くらい課題みたいな感じで出されてました。その時は生地を織る現場で働いていたので、社長は仕事以外の時間を費やしてくれて、今思うと本当にありがたいことだったなとつくづく思います。最初は全て生地をほつかないと組織がわかりませんでしたが、だんだんと組織が予測できるようになり、短い時間で、組織を把握することが可能になって行くのが、成長してる感じが凄く嬉しかった記憶があります。
細かい作業で、難しい組織の時は凄く時間がかかるのですが、当時は全然苦ではなく、こうゆう組織でできているのかわかった時の嬉しさが優っていました。今は複雑な組織の分解は凄く嫌です。笑
上の写真の組織はめちゃくちゃ複雑そうに見えます。生地の組織は数えられないくらいたくさんの種類があります。このような組織図があって生地ができるのです。なんとなく生地の企画の奥深さがわかっていただけたら嬉しいです。
しかしこの組織も生地企画をしている方でしたら、どのような生地かすぐに分かります。この組織は二重織と呼ばれる組織で、よくリバーシブルのコートの生地に使われている組織です。この二重織を理解するのにめちゃくちゃ時間がかかりました。しかし理解した瞬間に組織についての見識が一気に広がった気がしました。
テーラーで働いているときは、生地を知る大切さはあまり考えていなかったですが、尾州の産地で働くようになって、生地を作る素晴らしさ、大変さを学ぶことができました。もっと洋服について学んでいき、良い生地・服が作れるようにしていきたいとこのファイルを見て改めて感じました。